嵐山の竹林にある電信柱や電線は、どうにかならないものだろうか。

 観光客がたくさん訪れる歴史的景観の宿場町は、正面の電線が一番目立つ。

 スカイツリーのすぐ横に高層ビルを建てる感覚もよくわからない。スカイツリーの高さを相殺し、一つだけ立っている美しさというのも台無しだ。フランスでは、エッフェル塔の横に高層ビルなど絶対に建てない。私は、美しさより経済を優先させる昭和の考えが好きになれない。

 日本は電線が非常に多い。これは仕方のないことなのか、海外もそうなのか調べてみたら、ロンドン、パリ、ベルリンの無電柱化は100%、アジアでも香港100%、台北95%、シンガポール93%で、インドネシアのジャカルタですら35%だという。一方、東京23区は8%、大阪市は5%だ。

 美しい景観に対しての意識が、他国に比べて日本は低いように思える。正確に言うと、一般の日本人の美意識は高く、無電柱化を進めない政治家や電力会社、土地開発会社、団体などの決定権を持ったお偉方(年をとった人々)の感覚や考えが昭和で古いのだと思う。オリンピック開会式のパフォーマンスもそうであったが、若者の感覚や意見が重要な場合もある。