全仏オープンで失格となった加藤選手のポイントと 賞金は戻らず、さらに罰金を支払うことになった。
「アジアの片隅の国の無名な黄色人選手だから」という人種差別が、根底になかっただろうか。もし仮に、自国のフランス人選手であっても、同じようにポイントと賞金を没収しただろうか。いや、そもそも判定を覆してまで失格にはしないだろう。
元テニスプレーヤーの沢松奈生子氏は、「人種的な問題は20年前、私たちがやっていたころは正直、感じたことはあります。元々テニスというスポーツは白人社会で始まったスポーツで、アジア系の選手が台頭してくるとルールが変わったり、キツい日程を組まれたりとかあった。でも、今は我々の時代とは変わってきている」と言う。
現在は露骨な人種差別ができなくなったと思うが、長年その国で続いてきた差別意識は、そんなに簡単になくなることはない。現在もその国の人々の心の奥深くには必ず差別意識が染みついており、普段は建前でそれを隠していても突発的な事態の際に理性がおろそかになってその差別意識が顕在化するものである。
有名ではないアジア人選手などに、偉大な全仏オープンが過ちを認めさせられ、プライドを傷つけられ、権威をおとしめられることなど、許せなかったのだろうか。罰金の要求は、自分たちを正当化するための悪あがきのように、私には見えた。