日本テレビの「news zero」で、これまで沈黙を貫いてきたジャニーズ事務所の櫻井氏がキャスターとしてようやくジャニーズの性暴力についてのニュースの際に口を開いた。ネット上ではスルーし続ける櫻井氏が責められていたが、櫻井氏が悪いのではなく最終判断をしていた日本テレビに全責任があると思う。他局が今回の事件を普通に報道し、ジャニーズへの忖度もやめはじめてきた中、日本テレビだけがこれ以上露骨に忖度し続けることができなくなったというのが実情だとみている。日本テレビは改心するのが遅かった。遅れは、局としての反省の度合いに比例する。

 櫻井氏はコメントの中で、どの立場で話をすればよいか迷っていると話していたが、人として、法治国家における社会の一員として、自分が思うことを言えばよい。「どの立場で言えばよいか迷っている」となると、自分の素直な意見ではなくてその立場を想像しながら作った内容になってしまう。彼のコメントは何が言いたいのか私にはよくわからなかったが、真剣に話していることは伝わった。いろいろと混乱しているのだろう。

 櫻井氏はコメント後、ここ数週間とは全く異なり、表情がとても豊かで笑顔や口数がとても多かった。彼もすっきりしたようだった。彼の表情を見てうれしくなった。彼もまた、最終決定権を持っていた日本テレビによる犠牲者のように私には見えた。長年にわたり多くの未成年者に対して性暴力を行ってきたのは喜多川氏かもしれないが、テレビ局のサポート(癒着や黙認)無しでは成しえなかった犯罪行為ではないだろうか。芸能界における諸悪の根源(出演者選びや放送内容などの「最終決定権」を持っているところ)をもう一度分析し、そこで正義・公平・道徳が貫かれるように国民も含めみんなで改革していくことが重要だと思う。