今朝テレビ朝日の情報番組で、カット野菜についての特集を放送していた。

 カット野菜は便利だが、「何日たっても色が変わらないのは何か体に良くないものを使っているからではないか」、「栄養分がかなり減ってしまっているのではないか」という声もよく聞かれるので調査したということだった。

 私もそうではないかと普段から感じていたので興味を持って見てみた。放送内容を要約すると、ある1つの工場の人が出てきて、① 外側は強めに消毒して中は弱めに消毒しているのでおいしく出来上がっている、② 二酸化炭素を袋の中に入れているので1日長く日持ちするようになった、③ 自分たち(カット野菜会社)の調べでは家で洗った時とは養分は変わらなかった、というものだった。そして最後にスタジオのコメンテーターが、日にちがたっても変色しないのは日本の野菜が質がいいし…(中略)私もこれから安心して食べたいと思います、といった旨のことを下の原稿を見ながら違和感があるくらいに力強く言い切っていた。

 消毒液が問題なのであり、自分たちで調べた栄養分の調査などに信頼性はない。そもそも他のカット野菜工場はどうなっているのか全くわからない。コメンテーターの「日本の野菜の質がいい」というのも変色しない理由にはならないだろう。そもそも、なんでこれから安心して食べたいなどといったのだろうか。1つの工場の消毒液で洗う映像を見て、そう思うだろうか。

 番組は、先の2つの疑問に答える内容ではなかった上に、コメンテーターが「安心して食べたい」などと原稿を見るようなしぐさをしながら視聴者に訴えるように言うのをみて、私はどこからかの圧力、または忖度があったのかと感じた。

 このような素人が感覚で作ったような無責任で怪しい感じがする情報番組作りはこれまでのテレビ局の姿勢と同じであるが、今はジャニーズ問題でジャニーズ事務所もテレビ局も生まれ変わろう(公正を貫き、大手事務所や制作会社、CM企業、政治家との関係において忖度や癒着、圧力をなくする)と努力している最中だと思っていたので、愕然とするとともに生まれ変わることはできないと確信した。

 社会は急速に変化しどんどん変わっている。その中において、国や国民に最も影響を及ぼす政治家とテレビ局だけが昭和の負の遺産にしがみついているように感じられる。もしテレビ局の悪しき伝統や体質を本当に変えるのであれば、テレビ局のDNAを持った内部の人を社長に昇進させるのではなく元大企業の社長など外部の人を社長に招いて、徹底的に改革してもらうしかないと思う。しかしそれは、自分たちが不利になる法律を政治家が作らないのと同じく、あり得ない理想なのだろう。