会社の新入社員がミスをした時、上司から「始末書を持ってこい」と言われ、太いマジックで紙に「ごめんなさい」と書いて持って行ったという笑い話がある。しかし、これが笑い話ではなく現実のところもある。日本の最高機関である国会だ。 

 政治家は、謝罪の言葉だけで、責任を一切取らないことが当たり前になっている。「ごめんなさい」の言葉が、責任を取ったことになると思っているのだろうか。中には謝罪の言葉すら言わずに「国民に誤解を与えた」と、国民が勝手に誤解した(「私は悪くない」)というような国民のせいにしてくるすごい政治家もいる。

 仮に、国民を代表する国会議員のやり方が社会全体に広がり認められたとしたら、刑務所に入る人がいなくなり、校長や教員が懲戒処分を受けることがなくなり、会社や部下の不正が明らかになっても社長が辞任することもなくなる。誰も責任を取る必要がなくなれば、善悪や道徳の概念が無くなり、何でもありの社会になってしまう(だから日本の政治は何でもありの世界になっている)。

 政治家が、「ごめんなさい。逃げずにこれからも続けていくことで責任を果たします」というたびに、私は理解不能で混乱してしまうのである。

 この言葉を単なる一企業の社長が言うのを、私は初めて聞いた。ジャニーズ事務所の社長は、自分が政治家のように権力があると勘違いしているように感じられる。あるいは、本当に非常に大きな権力を持っているのだろうか。