お笑い芸人が韓国ロケで屋台の商品に勝手に自分のつまようじを刺して食べてしまい、店主から注意を受けた放送について、国内や韓国において非難の声が高まっている。店主は本気で怒って手でバツを作って注意したのであるが、そのお笑い芸人は謝罪することもなく、お笑いのためにあえて堂々としてみせていた。
このお笑い芸人の行動は、日本全体に対するイメージをおとしめるものであるが、私がこの芸人以上に腹が立ったのは、すぐ横で見ていたもうひとりのお笑い芸人の行動である。その芸人は、売り物を勝手に食べた芸人に対して店主が手でバツを作りながら怒って注意をする姿を見て、大笑いしたのである。注意をしたら大笑いされた店主は、怒り心頭であったことだろう。
残念ながら、まさにこれが今の日本の「笑い」なのである。テレビ局は、番組内で芸人同士が相手の顔をビンタしても、ロケで盗み食いしても、ゲストが怒って文句を言っても、周囲が大笑いして許されてしまう映像を流し続け、その基準や習慣を社会に浸透させようとしている(意図的かどうかはそれらが及ぼす影響には関係ない)。
さらに言えば、テレビ局は、誰かが転んだり痛い思いをしたり困ったりした時にも、それを見たお笑い芸人が大笑いする姿を、番組を通して子供たちや若者に見せ続けることで、そこからやり方を学んでしまい、結果的にいじめを誘発している。国民は、いじめや自己中の根本的な原因を見て楽しんでおきながら(ほおっておきながら)、学校や教員に対して「子供たちを直せ」「怠慢だ」と攻撃してくる。まともな人はどこに・・・。
お笑い芸人やお笑い事務所、テレビ局は、もし視聴率(お金)第一主義でないのであれば、自分たちはなにをやっているのか、相手や社会に対してどのような影響があるのかということも、少しは考えたほうがよいと思う。