泥棒などの犯罪者の裁判では、犯罪者側(弁護士)と被害者側(検察)が事実や言い分を述べあい、それらを聞いて最後は裁判官が判断を下す。曖昧のまま終わるということはない。

 現在、インドでG20が行われている。ウクライナへの攻撃についてロシアと欧米の主張の隔たりが大きく、一致点が見つけられないで紛糾しているという。それは当たり前である。加害者側は何らかの理由をつけて無罪を主張し、被害者側は被害を訴える。紛糾しないほうがおかしいし、一致することもあり得ない。

 一番の問題は、国連などもそうであるが、国際会議において判断を下す人、裁判で言えば裁判官がいない中で主張しあっているということだ。時間と労力の無駄にしかならない。判断を下すのは一つの国や複数の国であってはいけない。必ず同盟国や恩のある国は正義に関わらず、仲間を擁護するからである。判断をくだす人がいない状態で国際会議において問題点を話し合うというのは、会議ではなく口喧嘩の場でしかない。

 では、どうするか。すべての国が資本主義の民主国家になるまで戦争を行うか、あるいはコンピューター(人工知能)に世界共通になっている道徳や法律、そして現場の被害などの情報を入力して(それぞれの願いや理由などは排除して)、コンピューターに結論を出させることぐらいしか、私には考えつかない。ほかに方法はあるだろうか。