ウクライナでの戦争が激化している。テレビやユーチューブを見ていても様々な意見が対立しあっている。なぜ人はこれほどぶつかり合ってばかりいるのだろう。
民主主義が重要だとか自分の頭で考えることが大切などと言われる。人から言われたことをうのみにするのではなく、自分でじっくり考えて自分で判断することが大切ということなのだろうが、はたして、そんなことができるのだろうか。
自分で考えるということは、自らの経験や学習を含め何らかの情報をもとにし、量や雰囲気によって取捨選択し、口から出しているに過ぎない。そこには何の意味もない。いくら自分でじっくり考えても、どの情報をどのくらい得たのか、どのような教育を受けてきたのか、どのようなテレビや本を見てきたのかなどによって、自分の意見とされるものは、どうにでもなってしまう。
縁があって自分が偶然手に入れた情報によって、あるいは自分が意図的に(好みで)手に入れた情報によって、自分の口からすでに決まっている結論を出しているに過ぎない状態で、個人の意見は大切だとか民主主義云々というのはすでに破綻した論理であり、これは全人類が正しいと誤解し自己満足している壮大な茶番劇であろう。
民主主義下の選挙でも、自分が得た一部の情報を信じ、行動し、投票しているに過ぎない(それ以前に立候補者は理想論をあたかも実行できるかのように訴えて市民に嘘の情報を提供しているので、そもそも民主主義がどうのという話ではないのだが)。いわゆる「自分の頭で考えた」結論でもないし、そうすることは不可能なのである。
「民主主義」も「個人の意見」もすべては建前の夢物語であるが、このことを自覚したうえで情報に接すれば、少しは懐疑的になり、謙虚にもなるのだろうと思う。テレビやユーチューブを見ていると、自分の意見は絶対に正しいと信じ込み興奮して主張し続けている人がたくさんいるが、少しでも減ってくれると静かになってありがたい。