アメリカが、中国に対する地上発射型中距離ミサイルを在日米軍に配備する方針を見送った。日本が長射程のミサイル導入で反撃能力を保有すれば、アメリカが持つ必要がなくなるからだという。これによって対中国との戦争時、日本が最前線に立たされることが決定した。初めに日本の基地や日本の国土が、中国やロシアのミサイルの的になるのだろう。過去の半導体や新幹線もそうだったが、日本政府はいつも自分で自分の首を絞めている。常に判断ミスをするのは、能力の問題である。国を左右する政治家を選ぶ方法を、人気投票（選挙制）にしてはいけない証であろう。
中国やロシア以上にアメリカはしたたかである。世界中の国は当然のごとく自分の国を一番大切に思っている。日本は他国や外国人を、性善説や日本の道徳的価値観でとらえてはいけない。それぞれの国の状況（教育内容や固有の常識、習慣など）や国益があるのだ。日本の政治家たちは、国内経済も社会保障も少子化もすべてにおいてそうであるが、特に国の存続を左右する外交においては、一つ一つの選択を間違えないようにしなければいけない。
日本が反撃能力を持つのであれば、全面戦争になった時に負けないくらいの総合的戦力を持つ覚悟がなければいけない。わずかな反撃能力をもつことなど、やめたほうが良い。敵の領土内の基地やミサイルを少し破壊する程度の武力を持ち、それを行使した時、敵国の大反撃を食らっておしまいだ。
そもそも日本周辺の全ての敵国は、皆核ミサイルを持っている。日本の反撃能力など、抑止にも脅しにもなるはずがない。相手国は鼻で笑ってミサイルを何千発と撃ちかえしてくるだろう。それを日本が防いだり反撃したりすると、最後は核ミサイルが来る。日本は日頃からこれらの敵国にバカにされている国だから（これまでの長年の交渉の様子から判断できる）、核のボタンを押すことに対してそれほど抵抗は大きくないだろう。日本の周辺にいる敵国は、本音では日本を徹底的に滅ぼし、日本の領土を自分のものにしたいと思っている国ばかりである。
日本が敵国ミサイルに対する反撃能力（中・長距離ミサイル）を持つことを、今からでも撤回することはできないのだろうか。中国にとってもロシアにとっても、そしてアメリカにとってもプラスになり、日本が非常に危険な立場になる状況しか生まない。ウクライナのように、日本が大国同士の代理戦争の場を提供し、そして日本が前面に出て戦うことになる。戦争を一番嫌っていた国が、あれよあれよという間に・・・。政治家は、想像力を働かせ、冷静に、現実的に考える必要がある。経済も金銭的利益も、国が破壊されたら意味のないことだ。優先順位というものがある。