大相撲での優勝力士の表彰式で流れる国歌は前奏付きである。もともと「君が代」には前奏などないのに無理に前奏をつけるために、歌の初めの部分を二度繰り返すことで前奏としている。それによって、気品ある「君が代」が子供向けの間抜けな曲に聞こえてしまう。おそらく歌い出しが遅れないようにするために前半部分を2回繰り返して流しているのだと思われるが、前奏がないために歌い出しが遅れる秒数は、1秒にも満たないはずである。そのために「君が代」をこっけいなものにしてしまうことには反対である。

 例えば、アメリカの国歌にも前奏はないが、だからといって歌い出しの部分を2回繰り返して演奏することはない(テープでも)。アメリカ国歌の初めの部分を2回繰り返すとどういう感じになるか、想像してみてほしい。笑ってしまうくらい変だし、馬鹿にしているようでもある。だからアメリカはやらない。日本はやる。このような日本の古臭いおやじ的感覚がとても嫌だ。小学校での君が代の練習ならわかるが、公の場で「君が代」の初めの部分を2回繰り返すバージョンは無くしてほしいものである。

 私は、いつも「間抜けだなあ」「君が代が台無しだ」と思いながら大相撲の表彰式を見ていたが、なんと、今日世界中の人が見ていると思われるサッカーワールドカップの日本の試合前に、「君が代」の前の部分が2回流れるバージョンの「君が代」が使われていた。「君が代」の美しさ、重厚さが半減され、小学校での歌唱のような軽い国歌となっていた。なんで世界中に「間抜けバージョン」の君が代を流したのだろうか。

 私は、試合で日本が負けたことよりも、こちらのほうが悲しくて残念であった。日本は、チームとしてもうまいわけではなかったし、13本もシュートをうって1点も入れられないことのほうが難しい。負けるべくして負けた当然の結果なので、あまり悲しくはない。サッカーチームにはそれなりに頑張ってもらいたいと思うだけだが、国歌はそうはいかない。国の在り方や国全体のイメージに関わってくる。