開発を進めていた製薬会社が、アビガンの重症化の抑制効果について「有意な結果が得られなかった」と発表した。厚労省に出していた効能の承認申請も取り下げるという。
「アビガン」と聞くと、当時テレビに繰り返し出演してアビガンを推奨していた岡田晴恵博士が思い出される。彼女は大学教授として子供たちへの教育も行っている。専門家として毎日テレビ局をはしごし、確たる根拠もないままに風評を真に受けそれを広めてお金を稼いでいた人物だ。最後の方には、トーク番組のゲストとして出演もしていた。
彼女は、感染症学の専門家、大学教授、博士として全国に向けて公に発したアビガンに対する発言を、まだ取り消してはいない。取り消すまでは、学者としての彼女の言葉は生き続けている。今後、国や国民によるコロナ対応や薬の研究開発を間違った方向へ導かないためにも、嘘や不適切な提言は撤回しなければいけない。知らん顔をして自分の発した不適切な言葉をいつまでも生かし続けることは、学者として許されない。それに、大学の教え子たちもじっと彼女の振る舞いを見て、世間でのうまいやり方や学問の意義を学ぶだろう。教育者としてのプライドも持ってもらいたい。
社会や政府の方針を混乱させた専門家、教授、博士である彼女の責任は大きい。恥やプライドがあって謝罪が困難であるならば、別に謝罪などはいらない。しかし、せめて間違った発言を撤回することが、学者である彼女の最低限の、そして最後の責任であろう。