国会議員の麻生氏が、福岡での講演において「いろいろな話がわんわん出ていたが、(一般献花に)何時間もかけてずっと若い人なんかが並んで立っている、それが国葬の現場だ」、「その人たちの声がなぜ新聞やらマスコミには載らんのですか」と話したという。

 並んだ若者の数というのは、日帰りで並べる関東圏の若者の0.00001%にも満たないだろう。これが国葬の現場だった。あそこに並んだ人数や年齢層を語るには、全体に対してあまりにも数が少なすぎる。

 また献花に並んだ若者たちは、国葬賛成派の麻生氏によってこのように言われることは本意だろうか。並んだ人たちは国葬に賛成だったのだろうか。国葬に関係なく単に総理だった人が撃たれて亡くなりかわいそうだと思って並んだ可能性も十分にある。全体に対する割合から言って国葬を正当化する理由にはならないし、他人の誠意を利用して国葬を正当化する理由にしてもいけないと思う。

 政治家に関わる時は、慎重に行動しないと知らないところで利用される可能性があるのかもしれない。