覇権主義の国々が原子力潜水艦を増やしたり開発したりしているから、日本も原潜を持った方がよいという議論を党首たちがテレビで行っていた。
核ミサイルと防衛システムの関係もそうであるが、一方の国が軍事力で有利になったら他方の国はさらに上の軍事力を開発したり整備したりしようとする。そしてお互いにどこまでも軍事力が拡大していき、最後は戦争ということになる。100年ほど前までであったら、まだそれも地球や人類にとってセーフであったが、現在は破壊力の大きな武器が次々と開発されたり増えたりしており、今後起きてしまう世界大戦は地球や人類にとってアウトとなる。北朝鮮や中国などは、戦争で降参するくらいなら核のボタンを押せるだろう。
重要なことは、どのレベルで世界の国々の軍事バランスを保つかということであろう。バランスを保つのであれば、高いレベルであれ低いレベルであれ同じであるはずだ。当然、破滅的な世界大戦を回避するためには、低レベルの軍事力でバランスを保っておく必要がある。
お互いにミサイルや原潜を増やしたり高性能にしたりしていってもイタチごっこできりがなく、非常に危険なチキンレースである。例えば、国連においてすべての国が核ミサイルや化学兵器、戦車、戦闘機を0にすると同時に国連で強制力のある厳密な国際法を作ってはどうだろうか(例えば違反国には他国と○年間の貿易を禁止する。世界の国も罰則付きで守ることにする)というものである。近代的・現代的な武器はなくする、法律に従って皆が行動するということであれば、世界のバランスは保たれるだろう。万が一その状態で戦争になったとしても、強力な武器が存在していなければ大昔のような原始的な戦いしかできない。
問題は、自分たちが好き勝手な行動を完遂するために他国より強い軍事力を持ちたいと真剣に考える覇権主義国家があるということである。それらの国々は国連において、すべての国が武器を0に近づけたり強制力のある厳密な国際法によって行動したりすることに賛成しない。だから、いつかは戦争になるのだろう。力でもって現状を変更していきたいという国々に、ここまで軍事力を持つことを許してきた今の国連の姿勢やしくみが原因だろう。
まずは、力による現状変更を基本姿勢としている覇権主義国家が世界の安全保障に努めるべく理事国となっている状態、拒否権を自国のために堂々と利用している状態を解消するなど、国連の改革から始めるしかないだろう。どこまでできるか祈りながら注目したい。