法律は正しいもので、皆が従うべきものというイメージがあるが、ロシアのプーチンが自分に都合のよい法律を独断で次々に作っている様子を見ていると、「法律」は尊重する必要がない場合もあると思わざるを得ない。

 例えば、自分たちに反対すれば禁固○年として「だから私に逆らうな」と暗にロシア国民に言ったり、ロシア憲法で勝手に領土割譲禁止条項を定めて「だから北方領土は渡せなくなった」と言ったりしている。必ずしも法律=正義というわけではないのだろう。

 日本は、国会において民主的に法律を決めているから全く安全というわけでもないだろう。政党政治であるために国会議員に当選してしまえば、議員たちは国民の意思から離れ、党幹部や派閥の長などの個人の意思に従わざるを得なくなる(党や派閥に属さない議員を除いて)。議員選出は国民投票だから国民の代表であり国民の意思を反映するので「民主的だ」ともいうが、それも同じ理由で実際は国民の意思を反映することは難しい仕組みになっている。国会において、法案を巡って民主的に論戦をするといっても、最初から各党の議員数が決まっているのだから、論戦前に採決結果はすでに決まっている。何のための国会論戦なのか、よくわからない。

 堂々と独裁的に決めていくのか、カモフラージュしながら独裁的に決めていくのかの違いだとしたら、改善の見込みがあるのは前者であろう。