遠いウクライナでの戦争は、決して日本と無関係ではない。

 今回の侵略で、プーチンは核の使用や準備を公言しながら、勝手な理由をつけて他国の領土を奪っていく方法がうまくいくことを確認した。そして今はウクライナ周辺の国にも進撃するためにそこに至るまでのウクライナの地方都市の破壊を進めている。

 ロシアは北方領土はもちろん北海道もロシアのものと主張しはじめた。麻生副総理はロシアの西隣で行われていることが東隣で行われない理由はないと話すが、その通りだろう。

 日本人は、現実や悲観的な想定から目をそらす楽観主義者でもあるが、それでは大変なことになる可能性がある。日本人は想像したくないだろうが、平和な日常を送っていたウクライナがそうであったように北海道の街が破壊されレイプされ手を縛られて後ろから頭を打たれたりと地獄のような状況になり、第二次世界大戦直後や今のウクライナのように北海道民がロシアに連れていかれ、拘束されたり強制労働をさせられたりする可能性は低くはない。これは決して大げさな話でもなく昔のことでもない。今、実際にロシアが西側の隣国で行っていることである。現代の人間がそんなひどいことができるわけがないと思うのは間違いで、現在行われているのである。現実なのである。

 いや、北海道への攻撃だけでは済まない。日本も当然反撃するだろうから、それをみたプーチンは「ロシア兵を守るために本州も攻撃して反撃できないようにする」などと言いながら、本州も火の海となっていくだろう。アメリカも参加するために、大きな戦いとなり日本本土の被害は今のウクライナの比ではなくなる。核を持っているプーチンにとって北海道まで、運がよければ北日本をロシアの領土にできるのに、それをやらない理由はない。

 他の現実的な可能性も考えられる。日本は、アメリカにとってしょせん他国である。ロシアが日本に核を落とすことを覚悟でアメリカがロシア本土に攻撃をくわえることもあるだろうし、もしロシアが日本に核を撃った場合にはアメリカもロシア本土に核を撃ちこみ、その応酬の結果として最終的に日本全土が壊滅するというシナリオも自然な流れだろう。もちろん他の可能性もある。今の日本人はウクライナのように命をかけていつまでも戦おうとはしないので日本本土に核を2,3発落とされた時点で北海道1つをロシアに譲渡して戦争を終結させる交渉をするということも考えられる。

 いずれにせよ、日本は事が起きてから場当たり的に後手後手対応をして自らを不利な状況に追い込むのではなく、まだ日本がロシア軍に侵攻されていない今の時点から、様々なシナリオに対する対応策を検討しておいた方がよいだろう。そして、ロシアによる日本への侵攻を防ぐ対応も今から進めた方がよい。