全国的に感染拡大がおき、まん延防止等重点措置が各地で適応になっている。その事実を伝えた後、民放各局はもちろんNHKもニュースでもまん延防止適応地域の商店や旅館などへのインタビューの様子を放映している。もちろん内容は「お客さんが来ない」とか「ほとんどキャンセルになった」というものだ。意図がわからない。

 まん延防止措置の適応によってプラスになっている点や今後予想される利点なども同時に報じるのであればわかるが、まん防のマイナス面だけを繰り返し延々と流す。テレビ局は、そうすることで「少しは訪問して援助しなければ」、「商店や観光地が大変だから、まん防は早めに解除していい」と国民に思わせようとしているのだろうか。もしそうなのであれば、なぜ感染拡大をテレビ局は望むのか。確かに、感染拡大し社会が混乱すれば情報番組等は盛り上がる。視聴率第一主義のテレビ局の行動と一致する。それとも、単に放送する素材がないから、何も考えずにまん防に反対する人々を手っ取り早く取材しているだけなのだろうか。

 真意はよくわからないが、マスコミは視聴者に適切な判断をしてもらうためにも、偏った情報提供はやめなければいけないだろう。「一部の事実(や正論)は全体の事実(や正論)ではない」。いくらコメンテーターが一部の正論を熱弁しても、他のマイナス面や現実的には難しい面があるのだから、総合的には不適切な主張、マイナスの主張、あるいは嘘の主張ということになるのと同じ構造である。能力の問題か、自己PRのための詭弁かよくわからないが、これは今の流行のような感じがする。