最近、テレビで学校の校則が厳しいからゆるくしよう、見直そうという趣旨の番組やコーナーを目にするようになった。
一方、羽鳥アナが自分の番組において特殊詐欺で逮捕された中学生ニュースの最後に「衝撃です・・・14歳」と絶句していたという。
校則をゆるめたり無くしたりすることと、事件や犯罪の低年齢化は無関係だろうか。更生施設である刑務所では、なぜ集団行動やきまりを守ることを徹底して行わせているのか考えてもらいたい。
人間は、完全に自由にしたら際限なくわがままになっていく。最後は人に迷惑をかけたり法を犯したりしてまでも楽や自由を求め、もう自分で抑えられなくなる。それは理性が弱くいろいろなことがまだわからない子どもの方がひどくなりやすい。
もし校則をゆるめたら(肌着の色指定など、もちろん限度を越えたおかしな校則は無くしてもよいが)、子ども達は荒れ、校内の秩序は乱れ、学校での指導も子ども達に届きにくくなり、すべてのしわ寄せが教員に来る。そして自分勝手に怠惰に育った子どもが何か事件を起こすと、校則の見直しを主張してきたマスコミと親が、教員や学校に向かって牙をむいて抗議をしてくる。馬鹿じゃないだろうか。無知ゆえに、天に唾する行為があまりにも多すぎる。子どもは「よくなりたい」という気持ちが強い。しかし弱い心ももっている。その弱い心を、マスコミや親たちは悪い方向へ導き煽ってはいけない。
以前の「個性尊重」や「自己実現」、そして今の「校則の緩和」など、全てが教師にしわ寄せがくるのだが、最大の被害者は自己中でやりたいように行動する弱い心を身に付けてしまった子ども達だろう。学校教育についてよくわからない大人たちは、学校に協力しなくて良いから邪魔をしないでもらいたい。それが最大の協力となる。保護者もマスコミも「学校教育」のプロではなく、しかも学校での子どもの姿、同学年集団の中での子どもの姿を実際目にもせずに語るなんて無茶苦茶な話だ。
昔は、家庭で子どもが学校や先生の文句を言っていたら、「きちんと先生の言うことを聞きなさい」と親から頭をたたかれたものである。そうして育ってきた現在70歳以上のお年寄りたちが、日本を世界に誇る道徳的社会にし、世界3位の経済大国に成長させてくれたのである。すぐあきらめて頑張ることができず、ゆえに能力がないのに自己主張だけは異常に強く、自分勝手で攻撃的な今の若者には絶対に今の日本を作ることはできなかった。マスコミや保護者たちは、自分たちが主張していることが将来どういう結果(社会)につながるのか、もう少し想像しながら話してもらいたい。