新規感染者が1週間で8倍増加し、情報番組や政府、自治体などの発言を見ていると驚いたり焦ったりしている感じだ。どういうことだろうか。よくわからない。

 オミクロン株の感染力は非常に強力だということは以前から言われていたことであり、それは欧米での感染拡大の様子から本当であることも日本人はすでに知っていた。その上で、経済を回したいという政府と自由に行動したいという国民の思いが一致したため、昨年末の忘年会や集団での飲み会、帰省や旅行などに対して厳しい制限を設けず、自粛の強い呼びかけもされなかった。だから人流によって感染爆発が起きた。自然の流れであり、むしろ今の感染状況にならなければおかしなことになる。こうなることと引き換えに、政府も自治体も国民も年末年始に動いてきたのに、何を驚くことがあるのだろうか。

 感染爆発や医療ひっ迫で騒いだり恐怖を感じたりするのではなく、「経済を回す→感染爆発→自宅待機や自宅での死亡→感染現象」のサイクルは政府も国民もマスコミも確認済みで、騒がず事務的に淡々とこなしているのであれば理解できるが、計画通りに感染拡大させ医療ひっ迫も見えてきたのに(陽性者の自宅待機)、なぜ皆が騒いでいるのか私にはわからない。もしかしたら、日本人だけがオミクロン株で感染拡大はしていかないと思っていたのだろうか。もしそうであるならば、不正確でもよいからその根拠を知りたい。「なんとかX」があるから日本では感染拡大しないという人もいるが、今回で6回目である。また、他国はもっと死亡者が多いから日本は今のままの対応策でよいという主張をする人もいるが、その言い方も理解できない。比較の問題ではないだろう。経済最優先にしてきたから、多くの後遺症に苦しむ人を生み、死亡者を出してきた。「世界のどこかにもっと多くの人が亡くなっている所があるのだから、日本の対応はこれで良いのだ」というのだろうか。政府も国民も、言うことやること、わからないことばかりだ。

 現在、オミクロン感染者で人工呼吸器をつけている入院患者もいるが、あまり報道されない。ワクチンを2回接種した人達もどんどん感染している。自分の健康(一生続く後遺症など)や命を守りたいのであれば、もう少しいろいろなことを考えた方がよいと思う。