「誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)」の意味を調べると、「根拠のない悪口を言いふらして、他人を傷つける行為」とある 。
ネット上で誰かに対して非難をすると、すぐに「誹謗中傷するな」という書き込みが出てくるが、非難=誹謗中傷ではない。例えば無差別殺人やテロ行為などを非難してはいけないということではないだろうし、根拠にもとづいた個人的な感想も誹謗中傷にあたらない。もちろんその個人的な感想が、法にひっかかったり社会常識を超えたり非建設的なただの悪口であったりしてはいけないのは当然だ。極論を持ちだして「だからダメだ」というのは適切ではない。
ネットを見ていると、例えば一般人の特に男性がやったことと女性人気芸能人がやったことが同じ行為(不適切な行為)でも、一般男性に対しては強い非難が多く書きこまれるが、女性芸能人に対しては「誹謗中傷はやめましょう」という人がすぐに現れる。ファンなのだろうか。それとも、とりあえずこれを書けば自分がネット上で「いい人」になれるということなのだろうか。
短絡的に「誹謗中傷だ」と騒ぐのは良く無い。火のないところに煙は立たないもので、自分の悪い部分を反省したりお互いに非難し合ったりして(ただの悪口やひどい言い方ではなく、指摘し合ったりして)、社会の基準を守ったり、よりよい社会を目指したりしていくことが大切だろう。身勝手な言動や責任逃れを擁護することは、それらを認める社会を作っていくことになり、加速度的に社会が混とんとしていく。感覚的・雰囲気的に「誹謗中傷だ」と発言することはやめた方がよい。