元フジテレビアナウンサーの菊間氏がコメンテーターをやっている。彼女は弁護士だが、情報番組に出て芸能の話題や社会問題など様々な話題について感想を話している。法律的なこととは関係のない、個人のし好や性格に沿った単なる感想である。なぜ彼女がコメンテーターをしているのだろうか。そもそも弁護士をしたかったのではないのだろうか。
彼女に限ったことではないが一例として挙げてみた。様々な専門職の人が、コメンテーターとして専門外のことを話す。では、なぜその人がそこに呼ばれているのだろうか。近所のおばちゃんたちの感想と何が違うのだろうか。
例えば尾身会長や各分野の権威(学会長など)は、テレビに出て専門分野について知見を述べたり見通しの可能性について話をすることはある。しかし、そのような人達はけっしてテレビに出演して放火事件や芸能人の離婚などについてコメントを述べたりしない。当然のことである。
おそらく、その分野で活躍できないような人達が、テレビのコメンテーターとしてあらゆることに対し無責任に私見を述べてお金を稼いでいるのだろう。わけが分からない状況であるが、「個人の勝手だろう」では済まされない。なぜなら、そのような人達は、教授や博士、弁護士などの専門家の身分でそこにいて、国民に対して話しているのだから。世間はそういう目で見て専門家が話したことをそのまま信じ、そして真偽不明の偏った局所的感想が流布され、世論が作られていく。これはだめだろう。
その道で能力の劣る者が、たんなる「箔」として身分を利用して、テレビで無責任な知見を述べることを仕事にし、不適切な世論形成をしていくということに、私は汚らしさを感じるのである。