コメンテーターの峰竜太氏はまだ自分の発言を撤回したり謝罪したりしていないので繰り返すが、彼はフジテレビの番組において、鬼塚氏の行動について「パニックという言葉で片付けるわけにはいかない」と語った。
鬼塚氏本人は言葉の暴力(「救急車を使わず野垂れ死にしろ」)を受けてパニックになったと話している。事実かどうかはわからないが、嘘をつく理由もなく、突然救急車を蹴ったとも考えにくい。それから彼女がパニック障害を持っていたとしたら、峰氏の発言は障害者に対する差別である。
パニックの原因が言葉の暴力か彼女が障害を抱えて苦しんでいたか事実は捜査を待ってからとなるだろうが、峰氏がなぜパニックということで片付けるわけにはいかないと語ったのか、その理由を説明する必要がある。暴力を受けたり障害を持っていたりしたことがパニックになった理由だとしたら、今回の問題はパニックという言葉で片付けられるだろう。
峰氏の今回の発言は、私には憎しみが感じられ度を超えた文言のように聞こえる。昔、鬼塚氏が和田アキ子氏に暴言を吐いたことが原因だと思うが、それと今回のことは関係がないはずである。国の世論作りを担っている「コメンテーター」として、彼の今回の発言が適切であったのか、十分に検討する必要があると思う。鬼塚氏は世間から嫌われているようだが、彼女にも人権はあるはずだ。
決めつけて攻撃するのではなく、まずは事実確認からであろう。その次に個人的な感情を抜きにした客観的な意見が続くことを期待したい。