瀬戸内寂聴氏が死去した。

 生前、福一原発について「原発は絶対あってはならない」、「政治家は一体何を考えているのか」と非難し、「選挙権を行使し、みんなでいい政治家を選ばないといけない」と強く呼び掛けていた。

 私は、多くの点において彼女と原点(価値基準)や考え方がよく似ており、出家後の彼女の生き方や主張は私の手本ともなっていた。以前、法話を拝聴し、源氏物語を執筆された東北の山奥の秘湯まで行ったこともあった。私は性格上、彼女のような話し方や説得の仕方はできない。まさに私が北風で、彼女が太陽なのだろう。人々に訴える結論が彼女と同じであっても、私はくどく論理的に説明しようとし、彼女はユーモアを交えて情に配慮しながら短く簡単明快に話す。人はどちらだと納得するかは明白だ。人を納得させたり心を明るく前向きにさせたりするためには、やはり太陽でなければいけない。

 今まで彼女は私の外で生きていたが、これからは私の中で生き続けるだろう。