岸田首相が、福島第一原発と被災地を視察した。
選挙が近くなったり、支持率が低下したりすると、時の首相は福一原発や周辺の市町村を訪れ、自分の点数稼ぎに利用してきた。
政治家や芸能人(記者やテレビ局を引き連れないで個人的に訪問している一部の芸能人を除く)は、原発被害者を食い物にすることだけは、絶対にやってはいけない。仮に首相が本当に早期に復興させようと思うなら、東京で決断し実行の命令を下せばよいだけである。訪問しても首相に見せたくないところには案内されないだろうし、首相もまずい場所は見たくないだろう(公になって自民党が追及されたり、後に「知らなかった」という嘘が使えなくなったりするから)。
岸田首相は訪問アピールをするために記者会見も開き、被災地の復興に全力尽くす旨を述べていたが、おそらくこれまでの復興作業と何ら変わることは無いだろうし、後にその点を野党やマスコミから追及されても、先日の詭弁のように「今すぐやるとは言ってない」といえば、すべてが済まされるのだろう。政治家の言動のほとんどは、国民をだますための無責任でいい加減なものではないだろうか。
岸田氏が福島に行くことも彼が立派なことを述べることも、すべて原発被災者にとっては意味がないことだと思う。しかし、愚かな多くの国民をだまして自民党に投票させる効果はある。かくして、国民はこの1年半もの間、自民党が繰り返し経済を優先させるために大勢の国民に苦しみを与え命を奪ってきたことすべてを忘れ(許し?)、ずっと自民党に投票し続けるのだろう。だから悪いのは自民党ではない。ボールは国民が持っているのである。