高市早苗議員が、総裁選に立候補する意欲を示しているという。

 意欲があれば誰でもよいというわけではない。多くの派閥から推薦されたからといって、国益や国民の命を守るリーダーとして適任とは言えない。菅総理を見ていてもわかるが、総理大臣の意欲や頑張り、労働時間と政治結果は無関係であり、多くの議員や派閥から推薦されるのも自己の保身や利益ゆえのものであり、その人の総理としての能力とは無関係である。

 高市氏はこれまで何をやってきたのかよくわからない。経歴を見ると、元総務大臣とある。日本の総理大臣になったとしたら、ロシアと北方領土について話し合い前進させられるのか、北朝鮮による拉致被害者を何とか出来るのか、中国やアメリカと対等にまともな外交ができるのか、経済や少子化、社会制度などはどうするのだろうか。それらについて経験や知識はあるのだろうか。将来をイメージすると国民としては怖さしかない。

 いろいろな人が「意欲」を示している。しかし、そんなものはどうでもよい。全ては能力と知識と経験(情報収集能力や思考力、調整力、判断力、コミュニケーション能力、国語力や表現力などの能力、外交や経済、社会制度などの専門知識とそれらの幅広い経験)で決まる。いずれもさほど持ち合わせておらずに意欲や推薦(=自己保身による推薦)だけで総理になってしまうと、結果的に官僚や族議員、派閥の長の言いなりに動くことしかできない「お飾り総理」となるだろう。