感染が拡大している。17日の全国の感染者数は、3886人だった。
過去の第3波や第4波の傾向から考えると、第5波はこれから倍の数まで感染者が増えることになるが、今回は感染力や重症化率が高いデルタ株の流行で、若者も同じ確率で感染する。しかもオリンピックで世界の人々が交流し合う時期だ。選手や関係者からはすでに感染者が出て、空港でも選手村でもバブルは穴だらけになっている。海外の記者達も、こっそり東京の街に出かけている。
これまでの波の時とは条件が違いすぎる。第5波の感染者数は3886人の2倍がピークと考えるのは、論理的ではない。
これまで医療ひっ迫の入り口まで来ていた。今回は、子どもや若者、中年などの重症者が増えると考えられる。オリンピック選手や関係者などの感染者も増加し一般国民の入院をさらに困難にさせる。
今政府がやることは、今すぐ対策を考え行動する(準備をする)ことである。
ベッド数を増やすといっても微々たるものであろうし、専門の知識や技術を持った医者や看護師の人数もそれほど急に増やすこともできないだろう。現実的な選択肢としては、いくつかの中~大病院一棟をコロナ専門として入院できるようにしてそこでやれるだけやるか、重症患者に自宅で耐え続けてもらうか、オリンピックを中止するかということになるだろうか。いずれも難しい。
菅総理は(状況が悪化するまで)「もう少し様子を見てみたい」といって待っているのではなく、苦手かもしれないが「仮定のこと」も考えて今すぐベターな対策に取り組んでもらいたい。
4月の段階でオリンピック中止を決定し、菅総理は「ワクチン、ワクチン」と叫んでいるだけではなく、感染収束に向けて人々の行動を変えたり一旦感染者数を0人に近づけたりする努力を(飲食店だけではなく、すべての職種や学校等での1か月間の規制など平等に)行うことに全力を傾けるのがよかったのではないだろうか。
今、悪い条件がそろいすぎている。