菅総理のお気に入りの逃げ口上として、少数のこと、さらに悪いことを取り上げて「~も、また事実じゃないでしょうか。」というものがある。
昨日の会見では、繰り返し緊急事態宣言を出さなければいけないような対策(GO TOや遅い宣言発出、素早い解除、ワクチン接種の遅れなど)をとっていることについて責任を問われ、海外はもっとひどい状態になっている(だから私は悪くない)と話していたようだが、さらに悪い取り組みをしているところを取り上げて、自分のやり方はよかったのだと正当化する論法は成立しない。事実などごまんとある。いくら少数例や失敗例を持ちだしても、目の前で起きている最悪の「現実」を、最良のものに変換することなどできないし、自分の対応策は仕方のないものだったということにもできない(実際、国民や専門家が望むような対応策をほとんどとらない)。
このフレーズは、記者会見において毎回といっていいほど使用している。それほど便利なものだと彼も認識しているのだろう。このフレーズを使った論法が認められるのであれば、どんな場合にでも自分を正当化することができることになる。
他にも、「国民の健康や命を最優先に取り組む」というフレーズもお気に入りだ。お気に入りと言うより、便利な言葉として恥ずかしくなるほど延々と繰り返している。もちろん、彼が国民の命(感染の収束)よりも経済を最優先にしているから、繰り返し宣言を出す羽目になっている。正直に、「経済を最優先にして」といえば、まだ「悪い人だ」程度で終わるのだが、堂々と繰り返し嘘を言いながら経済を最優先にされると批判する気力まで失せてしまう。それが政府の狙いなのかもしれない。