オリパラ組織委員会がインドに対して示した厳しい検疫方針について、インドのオリンピック委員会やインドのスポーツ相が、「差別だ」と猛抗議をしているという。
オリンピックが始まったら、日本に来た世界中の選手や選手同行者、記者たちから、感染拡大防止のためのルールについて不平や不満、抗議が殺到し、守らない人も多くて管理対応しきれず、無秩序状態になるかもしれない。その対応策も、今から検討しておくことが必要であろう。
大きな心配事として、デルタ株のまん延である。選手や関係者が日本に入国する前にPCR検査を自国でやるようだが、すでに来日した選手団の中の数名が陽性で、濃厚接触者(他の選手たち)も日本国内ですでに移動してしまっていたという。自国でのPCR検査の精度に問題があったり、そもそも自国でPCR検査を本当にやったのかさえ疑わしい国(書類を偽造している国)も世界の国の中にはあるだろう。
また、ワクチン接種が進んでいるイギリスで、インド由来のデルタ株の感染者数が増え続けているという。そしてG7が行われたイギリスの街は、感染爆発に近い状態だという。G7の時に、警備の人を含め多くの人達が集まったためと言われている。
そこで日本だが、国内の今までのコロナウイルスがデルタ株に置き換わるのが、オリンピックの時に重なるという。いくら政府や都が対応策をとっても必ず穴や抜け道、落ちは無数にあるだろうし、そもそもいくら政府がルールやお願いごとを決めて海外の選手やマスコミたちに発表しても、それを守らない人さえ大勢いる。一旦デルタ株の感染爆発が起きたら、もうだれにも止められない。イギリスのように、デルタ株に置き換わり、そして多くの人が集まる状況が、間もなく日本で起きる。大丈夫なのか最悪になるのかやってみないとわからないが、最悪になる可能性がある程度あるならやめた方がよいという結論になるだろう。
選手や国民の中にデルタ株が広がり始めた場合、政府や都に抑え込むことはできない。一気に広がってしまう。医療現場もすぐに満杯になるだろう。感染者や患者は多国籍に及ぶため、患者や濃厚接触者の待遇について世界中の国々が日本に無理な要求をしたり責任追及を行ってくる。その状況から、誰が何をできるというのか。考えただけでも恐ろしい。
そうなってしまった場合、無理にオリパラを実行した日本は、世界中から最低国の烙印を押され、長期間にわたって、無責任でひどい国として扱われるだろう。結果がどちらに転ぶか、可能性は半々だろうか。非常に危険な賭けである。菅総理は、自分の感覚や希望に基づく一か八かの賭けでここまでやってきて、ワクチン交渉や宣言発出の遅れやGO TOなど、すべてに負けている。開催を独断で決め、専門家の意見も無視して行われるオリパラの勝負だけが勝つとは到底思えないが、ここまで来たら悪い方に転ばないことを祈り続けるしかない。