辛坊治郎氏が、太平洋をヨットで横断した。このニュースについて、お笑い芸人の有吉弘行氏がラジオで「木曜日にアメリカ・サンディエゴに到達…」までニュース原稿を読んだところで、「だから?」と笑いながら話した。続けて「お好きでやって、お好きでお仕事休んで、お好きにやってらっしゃるわけですから。はい、ありがとうございます。お疲れさまでしたっていうことですけども」と感想を述べた。

 7大陸最高峰登頂を達成した人を「セブンサミッター」というらしい。すごいことであり、名誉なことであり、世界の人々に勇気と夢を与えてくれる話題である。有吉氏から見ると、これも「だから?」という感覚なのだろう。そのような感覚や価値基準で物事を見ると、スポーツで個人や国が勝ったニュースや社会の出来事のニュースなど、すべてが「だから?」という話になってしまう。ニュースや情報には、社会の規範を維持したり(犯罪や事故のニュースなど)、人々の向上心を高めたり、人生を楽しく豊かにさせてくれたりなど、何らかの理由があるのである。

 有吉氏が悪いというより、ラジオ局が有吉氏のような感覚の人にニュース原稿を読ませること自体が不適切であると思う。最近、お笑い芸人が情報番組のコメンテーターをやることも非常に多く、社会的、政治的意見を無責任に述べている。お笑い芸人がやる意味があるのだろうか。

 もしお笑いのセンスや能力が本当にあるのであれば、お笑い芸人はお笑い番組やバラエティだけでよいと思う。