オリパラをやるかやらないかの国内での議論なしに、菅氏がいきなりG7で安心安全にやることを宣言して、なし崩し的にやることになったようだ。
だからやるのだろうか。私はそれではいけないと思う。菅氏は確かに日本の総理大臣だが、政府内でも専門家の中でも議論し決定しないうちに、いや百歩譲って菅氏が一人で決めた場合でも国民に対して「オリパラをやります」と発表しないうちに、外国に行って勝手に「やる」といってしまった。彼は、全首脳から支持を得られたと意気揚々に帰ってきた。的外れなところは外さない。
日本は独裁国家ではない。国民の命や健康がかかったオリパラをやるかやらないか、総理が一人で決めてよいはずもない。G7に対しては、「国内では政府内でも専門家の中でも結論は出ておらず、菅総理大臣が勝手に先走って独断でやると言ってしまいました、もう少し待ってください」と正直に話した方がよい。恥ずかしく馬鹿にされることではあるが、それが我が国の総理大臣の姿なのだからあきらめるしかない。
ではだれがG7の首脳たちに、「実はまだやるか決まっていない」と正直に話し許してもらうかであるが、総理への忖度で閣僚たちや官僚たちが言うはずもない。国民が直接首脳たちに電話をしたりできるわけもない。学者やマスコミが、メディアを通して海外に訴えるのが現実的であろう。今こそ、新聞社や放送局、学者達の存在意義を示してもらいたい。尾身会長は、「自分たちが提言をまとめたら、IOCにも伝えたい」と話していたのは、このことを防ぐためだったのかもしれないが、先手を取られてしまった形だ。
今回のオリパラ決定方法を許したら、総理大臣は一人で何をやってもOKということになる。だから、菅総理大臣以外の全ての日本人(国会議員やマスコミ、学者、国民などすべての人々)は、それを許し認めてはいけないと思う。総理大臣以外の人々が、総理大臣というものの在り方を悪いものに作り上げてはいけない。