大坂なおみ氏が最新の世界ランクで2位となり、オリンピック出場選手となることが濃厚となった。
しかし、全仏より友好イベントやお祭りの要素が強い「オリンピック」で、その雰囲気を台無しにするような「記者会見拒否」を行うことはできない。インタビューをする側の記者達も、みんなが聞きたいことや選手の人間性がわかるような質問をするなど誇りをもって全力で仕事をしており、上司でもない大坂氏に仕事内容(質問内容)を指示される筋合いのものではない。
彼女は、他の世界大会よりもインタビューが非常に多くなるオリンピック出場は辞退するのが適切であろう。オリンピックに出るために、世界中を騒がせがっかりさせた先日の自分自身のコメントを軽々しく翻すなど恥ずかしいことであり、強い意思など無くただの弱音であったことを証明することになる。
全仏オープンを途中棄権して大会に暗い影を落とし、インタビューがさらに多いオリンピックには出場するというのは、誰が見ても筋が通らない話である。オリンピックも出場しない方がよいと思う。彼女は、インタビューの在り方などについて今後主催者側と話し合っていきたいと言うが、問題は主催者側にあるのか、個人的な問題にあるのか、そこをはっきりさせてから話し合いをした方がよいだろう。
私は、一人一人の個人的な問題で大会の催し方を変えていくことには反対である。仮に優勝者が「私は表彰式に出たくない」といえば、出なくてもいいということになる。ゴルフでもサッカーでもオリンピックでも、莫大な大金や名声(CMなどから入る大金も含まれる)をもらえる「試合のみ」の国際大会はない。試合に付随するセレモニーやインタビュー、表彰式、写真撮影、テレビ放映などがワンセットでの大会であり、莫大な賞金なのである。彼女は個人的な理由と勝者としての名声をもって、自分がやりたいものだけをやって大金を得られるように変えようとしている。到底私は賛成できない。
世界は今「個人の尊重」や「多様性」の流れになっているが、言論の自由のように拡大解釈して無秩序で自己中心的な世の中を作りだすことがないよう、何についても総合的、長期的によく考えて社会づくりをした方がよいだろう。