東京は緊急事態宣言が出されているが、周辺の千葉県、神奈川県、埼玉県には出されなかった。比較的安全だということである。このメッセージが、首都圏の人々の行動に与える影響は計り知れない。

 都民は休日になると、横浜やマザー牧場、川越や秩父など周辺の3県の観光地に押し寄せて大混雑となっている。一方3県の人々は自分の県に緊急事態宣言が出されていないために同じ感覚で東京に行き買い物をしたりイベントに参加したりする。都心での人数が増え、それを見て都民も安心して出歩く。劇的に感染者が減らないよう、政府はいつでもどこでも(Go Toや空港での水際対策など)、見事にウイルス感染をコントロールしている。無意識にやっていると信じたいが、それにしても完璧すぎる。

 そもそも、緊急事態宣言下の東京で、観客をたくさん入れて大相撲を行う状況が信じがたい。お相撲さんも観客もみな不要不急の外出であろう。そしてNHKで全国に放送する。政府は何も言わない。私にはとても異様な状況に感じられる。相撲を見た全国の人は、「不要不急の外出をひかえなくてもいいし、イベントもやっていいし、大勢が一か所に集まってもいいし、何でもいいんだあ~」と思うだろう。大相撲中継は、国民の自粛意識を低下させるにはもってこいの素晴らしい方法である。許している政府には脱帽だ。

 2回目の宣言時でもいいし、3回目の宣言時でもよかったが、たった3,4週間、みんなで我慢(ロックダウン)し、その後入国を厳格にしていれば、その後ずっと日本には平和が続いていたことであろう。長引けば飲食店の人も苦しいはずだ。厳しい自粛やロックダウンを最も望まなければいけなかったのは、飲食店など自粛対象になっているお店の人達であったはずだ。飲食店の人々の苦しみはこれからも続く。天に唾することはやめた方がよいと思う。

 今、世の中は矛盾だらけで目的も対応もめちゃくちゃである。効果もわからずに皆が盲目的(辞書にあるので使っています)に突き進んでいるカオス状態だ。苦しいはずである。では、どうすればよいか。それはここで書くより、一人一人が考えた方が効果があるのだろう。ワクチンが効き、効かない変異種が今後現れないことを神に祈りたい。