菅総理は「国民の健康や命を一番に感がている」と繰り返すが、どう見ても国民よりもオリンピックや経済を大事にしているだろう。一番怖いのは、菅総理がオリンピックを強行し、その後強力な変異種の感染者や重症者数が増え、日本がめちゃくちゃになって手がつけられなくなった時に、「国民は、これまでの私の対応を支持し、今後も私に先頭に立ってやってくれというのか問いたい」と言って解散総選挙にもちこまれることだ。

 そうなったら、記憶の悪い愚かな国民の多くが自民党に投票して菅氏を再選させてしまう。そして菅氏は、「私は国民に信任されたのだ」と繰り返しながら、GO TOや経済活動の再開など、願望や思いつきのままにやりたい放題やってしまうだろう。彼の1年弱の取り組みを振り返るとそういう判断になる。

 国民は、政治家の過去の言動で投票する人を決めるのではなく、選挙活動の時に嘘をついて立派なことを演説した人に投票する。国民に1カ月以上前の記憶はないはずだ。「政権が行き詰る→選挙」という流れで安倍氏の政権も続いてきた。選挙をすれば、国民の多くは自民党に投票するから過半数をとれると自民党議員もわかっているだろう。政治は定期的に浄化(二大政党による交代)がおこなわれなければどこまでも腐っていく。一党独裁政治だけはだめだ。

 国民には今の野党に政権を任せる不安があるだろうが、何事にもはじめの一歩はある。不安を避けて一歩を踏み出さなければ、進歩も発展もない。二大政党制を徐々に作り上げていかなければいけない。現在は、国民が盲目的、感覚的に自民党に投票するから今の状況がある。決して安倍政権や菅政権が悪いというわけではない。選挙によって彼らを支持し日本の政治を任せた国民が悪いのだと思う。国民が、嘘と不正と不適切な対応と責任逃れが当たり前の政治を作ったのだ。犬だって、「待て」を教えれば覚える。次の国政選挙では、目先の餌に飛びつかず、1度冷静にこの国の政治状況や行く末を考えた方がよいだろう。