優先的にワクチン接種ができないか市に対して執拗に要求してきたスギ薬局側は、1度めのごまかし謝罪文で失敗して批判を受け、手直しをしてようやく謝罪文らしいものを再度公表した。
しかし、できはあまりよくない。2度目の謝罪文は、初めの部分でズルをしたことを謝罪している。ここで止めておけばよかったのに、その後に、相談役に持病があったからおもんぱかって秘書がやった云々と続く。これは非常にまずい。第一に「だってほしかったんだもん」という泥棒理論であること(悪事を働いた理由を述べることで相手に「そうであればしかたがなかったな」と思わせる技法)、第二に他人が勝手にやったことで自分たちは関与していないという責任逃れの弁である(上司は部下の責任を取るためにいるの)ということだ。この後半部分があるために、本当は反省していないな、自分たちは悪くないと主張しているな、と思われてしまう。実際そういう気持ちがどこかにあるのだろう。
スギ薬局は有名でたくさんの店舗があり、その多くの店舗がこれから市民にどう思われるのがよいのか、よく考えて謝罪文を出した方がよかった。「ああ、誠実で信用できる店だな」と市民に思わせる書き方もできたのに、かわいそうである。