「民主的に多数決で決めよう」、「民主的に選挙で国会議員を決める」ということを耳にすることがある。多数決や選挙って、民主的なのだろうか。挙手をしたり投票したりする人々は、だれかに何かを聞かされ、マスコミなどから大量の偏った情報を与えられ、忖度やコネを十二分に考慮しながら行動する。

 客観的な社会的適切性に関係なく、どのわがままや誤解が多いかで結論を導き、「民主的だった♪」と誇らしげに納得する。

 さらに、そうやって選ばれた国会議員は党や派閥に所属するので地元市民の意向を反映できず、そこで民主的な方法は遮断される。そもそも、選挙運動で立候補者が「1票をお願いします」というが、いったいどういうことなのだろうか。お願いされて投票するのか。初めから最後までめちゃくちゃだ。議院内閣制や政党政治、三権分立などが本当にベストのしくみなのだろうか。これらが提唱されてから100年以上はたっているだろう。時代は変化し、よどみも明らかになった。理想が必然的にそのまま実現されるような、これまでとまったく異なるしくみを学者たちに考えてもらいたいものである。