大阪は、2回目の緊急事態宣言の解除をわざわざ前倒しをするように国に要請し、1日の感染者が下がりきる前に解除した。その結果、大阪は1日の新たな感染者数が1000人を超える事態となり、医療現場もひっ迫し始めているという。

 吉村知事が、いくら格好の良い理由をつけようとも、これは事実であり、現象である。

 吉村知事といえば、日本社会からポピドンヨードを無くしてしまった人物でもある。普段から、ある事情で使っていた私は非常に困った。

 宣言解除の前倒しを国に要請した時、多くの大阪の人は心配した。大丈夫だろうかと。Go Toについてもそうであったが、市民の忖度のない素直な予想や不安は、コロナに関してはけっこう的を射ている。そして、実際市民の予想、不安は的中した。しかし、都知事はそう思わなかった。優先順位を誤った。これは、情報収集能力(ヨードの時のように誰から情報を得るかも重要である)、思考力、想像力、判断力など能力の問題である。そしてそれらを支えているのが彼の強いプライドであるように感じられる。

 私は彼のこれまでの言動を見ていると、一般県民と同程度の適切な判断を行っているようには見えない。大阪府約900万人の健康や命を預けるに足る人物か、彼自身も含め一度皆が立ち止まって考えた方がよい。いつかくるであろう重大局面において、多くの一般府民の予想や不安に反した大きな判断ミスをされたら、それは人災であり、府民たちは悔やんでも悔やみきれないだろう。人の善悪の問題ではない。適材適所の問題であり、それを間違えると望ましくない結果に至りやすいものである。