渡辺直美氏の問題では、ブタに例えるのは侮辱だと騒ぎになった。例え方にはいろいろあるし状況によっても侮辱かどうかが変わってくる。話はそんなに単純ではない。そもそも、犬や猫、リスなどは「かわいい」と言われ、ブタは忌嫌われる存在なのだろうか。

 TBSのキャラクターである「ブーナちゃん」はブタそのもので、侮辱対象の塊になってしまう。声を大にして言いたい。「ブーナちゃんがかわいそうだ!」

 マイクロブタのカフェも次々にオープンしているし、千葉県にはブタと触れ合える施設もあって家族連れでにぎわっている。

「差別だ!差別だ!」というが、小池氏や丸川五輪大臣の発言はそもそもブタに対する差別だと思う。意図的に作りだした体型を生かして楽しませる芸も、今後渡辺氏にやりにくくさせた罪もある。タモリ氏と赤塚氏が二人でやった猫の真似をする芸も楽しかった。ブタ好きやブタと遊んだことのある子どもたちは屈辱的であり、ショックも受けたことだろう。

 すべての物事は単純ではなく、現象だけで他人が判断できないケースもある。セクハラは、現象が同じであっても相手が嫌だと思えばセクハラだし、嫌だと思わなければセクハラじゃないという。今回もそれと同じケースで、他人が自分の価値観で断罪したり世間体を気にして(ブタへの)差別発言をしたりするべきではなかった。渡辺氏自身が統括の発言を批判するのであれば納得できる。

 本質や差別、今回のケースなどについて、皆が一度頭を整理した方がよい。