コロナの新規感染者数などが減少してきたので、緊急事態宣言の解除に向けて各自治体が動き出している。しかし、首都圏ではいずれの都県も1日の感染者数がまだ100人以上である。これまで多すぎたので、この数字が少なく感じられるのだろう。慣れとは恐ろしいものである。
緊急事態宣言が中途半端に解除されると、再び感染が拡大していく。今後医療をひっ迫させないためには、数百人の新たな感染者で安堵して解除するのではなく、新規感染者を0人近く(最低でもステージ1)にし、その状態が2週間位続くようになってから解除しないと、いつまでも同じことが繰り返される。もちろん大前提として海外からの入国は禁止にしておくか、あるいはワクチン接種証明+2週間の隔離措置のままにしておかなければいけない。
ステージが4や3になったくらいで、すぐ解除するから再び感染が拡大してしまう。この感覚というか、判断は禁止にした方がよい。学習して、連鎖を止めなければ、変異種もどんどん増え最終的には人がウイルスに対抗できなくなる可能性もある。
温泉街のおかみさんは、3月はかきいれ時だから期待していると話した。これから観光客も昨年の10月11月の時の増えていくのだろう。温かさも手伝って、マスクを外す人も増え、街にも人々が大勢繰り出すのだろう。私には、各自治体の今の解除の動きは1カ月後に再び感染拡大させようと努力しているようにしか見えない。知事たちの能天気さに、見ていて愕然としてしまう。いつまで人々に生活の不便を強い、経済発展を妨げようとするのか、怒りさえ感じられる。目の前のエサに喜んで飛びつくのは、もう終わりにしたいものである。
人類の敵はウイルスではなく、自分たちが営んでいる「経済」という得体の知れない化け物なのかもしれない。現代の日本のように経済が発展していなかった江戸時代の人々は、自分たちが不幸だと思いながら生きていたわけではないだろう。今のブータンや北欧の人々もそうである。経済を際限なく発展?させ、膨張させて、何かよいことでもあるのだろうか。キリというものはない。「幸せ」は自分の心が決めるのであろう。
何事も本末転倒や自分の強い思いによる行動になってはいけない。宣言解除のタイミングについても、冷静さや熟慮が必要である。
知事たちは、宣言を解除しても引き続きマスクをしたり3密を防いだりするなどの感染拡大防止策を怠らないことが大切だとも付け加えるが、自分たちの思いや願いが、一般市民の行動になっていくものだとは思わないほうがよい。宣言が解除になると人の心はどうなるか、温かくなり春になると人の心はどうなるか。認めたくはないだろうが自然に普通に予想し認識したうえで、知事たちには自分たちの行動を選択してもらいたい。少なくとも、後で「こうなるとは思わなかった」、「市民が3密を守らなかったからだ」などと責任逃れだけはしないことだ。