海外メディアは、森氏の発言をきっかけに、日本における男女差別以外の様々な差別や時代遅れの習慣などを取り上げて批判している。私は、海外メディアはもっと日本を批判して日本社会を変えてほしいと願っている。

 海外メディアがまだメスを入れていない点がある。それは、政府や官邸によるマスコミへの介入だ。日本では、法務大臣も警察も検察も行政も、実質的な上司にあたる政府や官邸を批判することはできない。では、日本において政治家たちの不正や不適切な行為、国益を損ねたり国民の生命や生活を危うくしたりするような誤った政策を批判したり取り締まったりするところはどこなのかというと、情けないことにマスコミしかない。しかも、一流の新聞社やテレビ局ではなく、文春や現代などの週刊誌にすべてを頼っている。

 先日、NHKスペシャルのタイムリーな番組が急遽取りやめになったという。オリパラをどうするかの討論番組だったようだ。受信料値下げなどの圧力を政権から受けていたNHK会長しか急な変更はできなかったという。昨年の10月には、ニュースウォッチ9の内容について、官邸幹部が抗議する騒動もあった。マスメディアに官邸の影が見え隠れする。

 マスメディアはどこの国においても、政権を監視する役目を持っているだろう。しかし日本では、官邸などがマスメディアに圧力をかけて世論を操作し、政府や官邸ははすべてが正しいと国民に思わせる仕組みを作り上げている。自民党幹部たちも記者たちに暴言を吐いたりマスコミのせいにしたりすることで、自らを正当化しようとする。こんなことをやっているから政権幹部たちの不正や誤った政策も止まず、質も低下していく。質が低下するから、ハッタリや責任逃れの言い訳、「いずれにせよしっかりやっていく」で逃げる答弁も自然と多くなっていく。誰にとってもプラスにならない。

 官邸がマスコミに対して会見場や陰で圧力をかける行為(政治家たちは圧力ではなく抗議だというだろうが、呼び方は何でもよい)について、海外メディアは徹底的に批判し日本からなくしてもらいたい。政治家たちがマスメディアをコントロールできるようにしたら本当に自民党の独裁国家となってしまう。悪人は警察のことが嫌いだ。安倍氏や森氏、麻生氏、菅氏、そしてトランプ氏はマスメディアが大嫌いだ。なぜだろう。日本の政治家や社会を変えるには、外圧しかありえない。政治家によるマスメディア介入批判を日本のマスコミがいくら非難しても、ご老体たちは逆切れして終わりにしてしまうだろう。昭和の古い政治家たちは外国には異常に弱いのだ。海外メディアには日本批判を徹底的にやってもらいたい。