緊急事態宣言が発出された。しかし、国民の多くは具体的に何をすればよいかはっきりしないのではないだろうか。わからないので、当然何かを頑張ろうとも思わない。あすからも、国民の行動はほとんど変わらない。

 飲食店を前面にバーンと出してきたが、そんなことは全国民のごくわずかな割合の人にしか関係しないことだ。他に映画館が・・・とか、不要不急の外出は・・・と申し訳程度につけ加えていたが、そんなものはいつものフレーズだ。

 去年の春の緊急事態宣言の時は、「人との接触8割減が必要」と具体的な数字を出して目指さなければいけない目標を示し、しかも対象が全員だったので自分がやるべきことがよくわかった。さらに、携帯の位置情報から毎日どのくらい達成できたかニュースで教えてくれたので、次の日もっと頑張らなければなどと、1日1日自分がどうすればよいのかがよくわかった。今回は、具体目標も対象も1日1日の評価もすべてはっきりしない。政府や分科会側の都合ではなく、国民への効果を考えて発表しなければいけなかった。

 私が総理であったとしたら、経済のことは欧米と同じようにひとまず横におき、多くの人命を救うことを考えて短期間ロックダウン並みのことを要求する。具体的には、「不要不急の外出をしないでください」ということを前面に出して、学校の休校を含め、現在のイギリスのようなロックダウンを要請する。期間は、ウイルスの潜伏期間や病院の機能が回復するまでのことを考えて1カ月間とする。あくまでも要請であるが、日本人ならこれで全国の感染を短期間でかなり減少させられるであろうし、医療崩壊も回復に向かわせられる。全員が基本的に外出をしなくなれば、多くの人が守らざるを得ないだろうし、頑張ると思われる。自粛警察も大いに結構である。自分勝手に多くの人命を奪うことは、テロと同じである。テロリストは許してはいけない。自粛警察は警察と同じく秩序や人命を守ってくれる。あとは、スーパーに行く時は1家族1人とか、散歩やマラソンをしたければ必ずマスクをすることなど、細かな具体的行動について説明すればよい。たった1か月間で今の状況をなくせるならば、どんなことでもできないことは無いだろう。

 年末にPCR検査で陽性となり、自宅待機をしていたという19歳の女子大生のインタビューを見たが、その後呼吸困難となり、一人暮らしで周りに誰もいないから入院したいと保健所に相談したら、入院を待っている人がたくさんいるので、自分で何とかしてくださいといわれたという。彼女は若いこともあって運よく回復できてインタビューに答えていたのであるが、もし自分が同じ立場であったら自力回復する自信がない。おそらく死んでいたように思う。今は、入院ができずに自宅で待っている人が数千人いるのだろう。そのうちに重症になったとしても地域によってはすでにベッドが空いていないのだから入院もできない。そのような人の数は今後爆発的に増えていく。

 いまは、経済なんかのことを口にしている時ではないと思うのは私だけなのだろうか。日本は、ロックダウンをしてくれる欧米に比べて精神的に未成熟であり、ゆえに怖い国であると私は感じる。政府の話し合いが、第二次世界大戦に日本が突っ込む時の昭和のおやじたちの会議と同じようにならないことを祈りたい。