全国の1日の新規感染者数が3000人を突破した。空気感染はしないのであれば、感染が拡大するのは人が移動するからということになる。

 菅内閣総理大臣は、「人の移動では感染しないという提言もいただいていた」「Go To中止は考えていない」と言う。これに賛成する人は、国内では「新型コロナは風邪だ」と言い続ける麻生氏以外には誰もいないだろう。総理大臣と副総理大臣がこの2人である日本は悲劇である。

 最高責任者である菅氏の判断次第では、全国の1日の感染者数がここまで上がることはなかったし、彼の判断次第では今後この数字を欧米並みに上げることもできる。大変な人を総理大臣にしてしまったものである。盲目的に経済を神のように崇めているが、経済のことはある程度人命の危機が無くなってからの話であろう。さらに言えば、ブータンや北欧などのように経済第一主義でなくても心から幸せを実感できるゆとりのある国の在り方も存在する。 

 ウイルスが悪いのだろうか。それを広げることに努力するリーダー(権限を持った人)が悪いのだろうか。どの時代にも他人に迷惑をかける人や危険なウイルス、病気はある。それが自然の姿である。しかし、それに適切に対応する法律や対処方法、治療方法などを作りおこなってきたから、人類はなんとかうまく生活できてきた。リーダーが無能なため適切な対応や判断ができずに社会を悪い方向へ導いたとしたら、それは病気やウイルスが悪いのではなく、それに適切に対応できなかったリーダーが悪いだろう。もはや旅行好きの国民を止めることができないならば、他国のように法律を作ってでも止めればよい。

 もしかしたら菅氏は、人が移動しても3密に気をつければ感染しないから移動が原因ではないという論理をとっているのかもしれない。しかしそれは現実的には実行不可能な論理である。いまだにマスクをしなかったり、マスクをあごの下にさげて話したりする人がけっこういる。出張し商談に夢中になってマスクを外したことを忘れ、興奮して声高に話し続けることもある。電車のつり革につかまり、手を洗う前にマスクのずれを直すために口や鼻の周辺にも触る。その手で鼻をこすったり口を拭いたりもする。久々に会った知り合いと飲みに行ったり食事に行ったりして、興奮状態で楽しく会話もする。飲食のために当然マスクは外している状態だ。取引先から飲みに誘われたり、案内所の人がマスクをしていなかったりしたら、どうしようもできないこともある。このように、人が移動するということは、無意識のうちに3密を作ることとセットなのである。毎日非常に気をつけて生活をしている私(N95規格のマスクをし、20分ごとにうがいか喉スプレーをし、帰宅後はシャワーを浴びたりなど)でもどこか旅行や出張に行った場合に3密を防ぐ行動を完璧に守れる自信はない(こみあった観光地や旅館のバイキング、電車内ですぐ後ろにマスクをしていない人が来て大声で会話を始めたりくしゃみをしたりなどは防げない)。自分が感染したり感染拡大をさせたりしても、おかしくはないと感じる。 

 適切な思考力や判断力のある他の人がリーダーであったならば、多くの命を救え社会の混乱を最小限にとどめることもできたのだから、今回の国難は不可避な案件ではない。人災であると私は思う。