自民党の杉田議員が、性暴力の被害者への支援をめぐって、「女性はいくらでも嘘をつける」と発言した問題で、抗議が殺到している。被害を経験した人達は、「私たちは嘘をついていない」と声を上げた。

 おかしな論理(筋)である。杉田氏の発言は一般的な事実であり、間違ったことは言っていない。被害者女性は嘘をつこうと思えばいくらでも嘘をつくことが可能である。当たり前の話であり、被害者側が話を大きくして(嘘を)言うことも自己の利益のために一般的に普通にあることだ。

 満員電車の中で公務員や会社で地位のある男性は女性から「痴漢だ!」と言われないために、両手を胸の前などなるべく上の方に上げたりする。どこかの中学校教員が女子高生から痴漢呼ばわりされ逮捕されたこともあった。まもなく釈放されたが、名前が新聞に載り地域や学校内では有名になり、彼の教員人生は終わった。そのようなことは限りなくある。このような不幸が起きるのは、女性ならではの気の強さやプライドも関係しているだろう。

 杉田氏が、「すべての被害者女性は嘘をついている」と言ったのであれば不正確の可能性もあるので問題発言になるが、今回の発言は被害者であり女性である側が嘘をつこうと思えばいくらでも嘘をつけるという一般的事実を話しただけで、何ら問題はない。事実、被害者の中にはすべて嘘とは言わないまでも不正確なことを言っている人もいないとは言い切れない。相手のことは憎いだろうし、少しでも多く慰謝料が欲しいという当然の感情を考慮すると、むしろ嘘をつくことはあたりまえと考えることもできる。しかし、感情で好き勝手に振る舞うことは許されない。重要なことは、何事も最低限の話の筋は通し(これを無視すると、普通の会話が成立しなくなる)、正確かつ詳細に検証してから判断を下さなければいけないということだ。

 警察も、「女性だから」という理由だけで、痴漢などの被害者の女性側の言いぶんをそのまますべて受け入れてすぐに逮捕するようなことをやめなければ、長年誠実に仕事に努めてきた人の人生を、そこで終わらせることにもなるのである。