大都市では、感染拡大が広がっている。都知事や専門家は、帰省は控えてほしいと訴える。人の移動が感染者を生むからである。しかし、知事の中には「温かい心で(帰省者を)受け入れてほしい」と訴える人もいるという。

 この場合の「温かい心」とは、いったい何であろう。感染の危険性を受け入れることなのだろうか。言葉の使い方も間違っているし、内容も不適切である。

 感染者が急増している大都市から多くの人が帰省すると地方にも必ず感染が拡大し、その結果死亡率も上がる。お年寄りが感染して命を落とす可能性も高まるだろう。それでも、埼玉県や神奈川県、大阪府、名古屋などから帰省する人々を温かく受け入れてと頼むのか。悪魔ではないだろうか。

 知事の中には、あいだを取って、3密を作らないように十分気をつけて帰省してほしいという人もいる。それが不可能だから、今は人の移動はできるだけしない方がいいというのであろう。緊急事態宣言時に大勢がパチンコ店に行き、宣言解除後に3密を作らないように!と言ってもライブハウスやナイトバーでマスクもせずに大勢が集まって騒ぎ、夜の店に営業を控えるように頼んでもやめない店がたくさんある。休日になるとキャンプ場や観光地に家族連れが押し寄せる。このように、「3密を作らないように気をつけよう」「人に移さないように気をつけよう」などと思わない人も大勢いるのである。この当たり前の事実を把握できない知事の訴えは、非常に危険である。

「差別」とか「誹謗中傷」、「温かい心で」など、どこかで覚えた都合の良い言葉を、非常時にもてあそぶべきではない。情報収集ができない人(偏っている人)、思い込みが強い人(独善的な人)、論理が組み立てられない人、状況が把握できない人が権力を持つこと(行政の長や政治家で居続けること)は、罪である。

 帰省すれば、家族や親せき一同が集まって食事もするだろう。みんなが無言で食べ続ける状況など想像もつかない。久しぶりに会った親類は夜にビールを飲んで騒ぐだろう。暑ければマスクを外し、大都市から来た子どもも含めて親戚の子ども同士で遊んだりするだろう。なれてくればマスクを外して、お母さん同士や兄弟同士が話をするだろう。田舎の年配者の中には、マスクをするということもわからない人もたくさんいるだろう。このような当然起きることを考慮したり、これまでの自粛に対する国民の自分勝手な行動や現在の感染者数などを見て判断すると、今年のお盆の帰省は全国一律でやめた方がよいと思う。