「Go Toキャンペーン」がスタートした。

 ウイルスより目の大きいマスクをつけても、感染者の近くや密閉した空間にいれば、漂っているウイルスが体内に入る。新型コロナウイルスの大きさは0.1ミクロンだが、高規格のN95でさえ0.3ミクロン以上の大きさしか遮断できないので、感染予防としてつけることに疑問が残る。少しだが捕獲できるという程度なのだろう。サージカルマスクになるとN95よりはるかに劣り、5ミクロン以上しか遮断できなくなる。最も性能の劣る不織布マスクや布マスクになると、コロナウイルスは通り放題となる。飛沫(「咳やくしゃみの際に口から出る細かな水滴」)を防ぐ程度であるが、新型コロナウイルスに関してはアメリカの多くの専門家が指摘しているように空気感染も十分に考えられる。飛沫だけ防いでも、感染はするし拡大していくだろう。

 感染しないためには家にいる、感染拡大させないためには人の移動をしない、が基本だ。あとは経済との関係で、どこまで感染拡大、ひいては死亡者数を許容するかの話である。構造は単純である。

 首都圏や大阪では、過去最高の感染者数(1日あたり)が出ている。全国の感染者数も過去最高を記録した。小・中・高校生にも感染者が出て、格好閉鎖をしている学校も増えている。今のままでもこうなっていく状況の中、Go Toでさらに人の移動をさせるキャンペーンをすると中国やアメリカ、インドのようにいっきに数十倍の感染者数にならないほうがおかしい。そうなると一瞬にして医療崩壊が起き、あとは加速度的に死亡者が増えていく。2月、3月の中国やアメリカのように行く場所がない感染者が公園に寝かされ、亡くなったら公園内に埋められるということになるかもしれない。というか、感染爆発が起きたらそれ以外の状況が想像できない。ヨーロッパやアメリカを見てわかるように、勝負は一瞬で決まる。徐々にではない。いっきに感染爆発したら、もう対応のしようがない。ゲームオーバーだ。その後、キャンペーンを強行した安倍総理が出てきて、「想定外だった」「国民の皆さまにお詫び申し上げます」「専門家の意見を聞いて対応したい」といつものセリフを話して終わりとするのだろう。そしてキャンペーンで旅行に行き、感染拡大にいそしんでいる国民は、次の国政選挙でも自民党に投票して、安倍氏か安倍氏の後継者を総理とするのだろう。日本では、「本能」というものが強く感じられる。

 先日ある専門家が、このままいけば来月(8月)の感染者数は目を覆いたくなるようなものになると話していた。しかし、「このまま」ではなくなった。「国民の命を守る」が口癖だった安倍総理大臣が最終判断を下して、Go Toキャンペーンを始めてしまったのだ。日本が地獄とならないことを、心から祈りたい。

 

〈追記〉 本日の東京都の新たな感染者数は366人と過去最高になった。埼玉県も過去最高の64人、愛知県も過去最高の98人、大阪府は104人でこのうち78人が感染経路不明とのこと。