「差別」の意味を調べると、「特定の集団や属性に属する個人に対して、その属性を理由にして特別な扱いをする行為」とある。
新型コロナ関係で、「東京差別」が行われているという。東京やその周辺の埼玉、神奈川などでは日々の新たな感染者数は一定数を保ち、現在再び増加傾向にある。満員電車や飲食店、街中など多くの場面で密ができているので、無症状の感染者数も相当数いるだろう。他県に比べると感染する危険性は高い。
その首都圏から、ほとんど新たな感染者数が出ていない地方の県に観光客が行ってしまうと、そこで数人感染しただけでもクラスターが発生してしまう。だから、「観光客は今は来ないでください」と観光地や県は訴える。それはいけない行為なのだろうか。東京差別なのだろうか。これがもし差別なら、少し前まで県をまたいでの移動制限を出していた国の方針も差別にあたる。公然と全国的に差別を指示していたことになる。おかしいだろう。危険性があるから予防をする。当たり前だがそれは差別にあたるからやってはいけないというのか。
今、キャバクラでは感染者が続出している。3密が起きやすく感染リスクが高いからである。だからキャバクラには行かない方がよいとか営業自粛をした方がよいという。確かに感染者がまだ出ていないキャバクラもある。その店に行かないようにしたり自粛要請したりする行為は、最初に記した差別の意味には当てはまる。
つまり、差別には良く無い差別もあるが、公共の利益に即した差別、望ましい差別もあるということだ。「差別=悪」としない方が矛盾が起きない。できれば、誤解を生まないためにも差別の意味や定義を変えた方がよいだろう。