安倍氏は、アメリカやロシア、中国などと仲良くするために、相手が気分を害さないように気を使い、忖度し、相手がよくないことをしても批判を抑えている。このようなことをしてでも仲良くしようとすることは、果たして日本のプラスになるのだろうか。

 結果、アメリカもロシアも中国も、逆に強硬な行動を日本に取るようになった。「言うことを聞かないと、関係が悪くなるぞ」と脅されながら・・・。アメリカは農産物や自動車の関税、農産物や軍事物資の購入など、非常に大きな案件については日本が要求をのまされ、ロシアからは北方領土を返還しない流れにされ、中国からはマスクが不足して困っている時に中国の自社工場からのマスクの輸入を止められ、尖閣諸島を奪われかねない行動をとられる。安倍氏に、地球儀を俯瞰する外交をされると、どんどん事態が悪くなる。

 日本がこの3国と仲良くしようとすることは、逆に自分の行動が制限され、脅しによって無理に言うことを聞かされ、国益を損なうことにつながっている。

 外交なのだから、特に仲良くしようとするのではなく、普通に付き合うのが物も言えるし、安易な妥協を強要されることもなく、対等の付き合いができるというものであろう。外交は国益のために行われるものだ。日本以外の世界の国は、仲良くするために妥協して国益を損なう行動を選ばない。心から本当に仲良くなりたいという日本側の気持ちは、外交において叶うことは絶対にない。国際法や形式、外交儀礼は守りながら、毅然とした態度で淡々とおこなっていくのが他国からの信頼にもつながるし最も良い結果をもたらすのではないだろうか。