「香港への国家安全法制の導入を巡り、中国を厳しく批判する米国や英国などの共同声明に日本政府も参加を打診されたが、拒否していたことが6日分かった。」(共同通信)ということだ。

 日本は、中国と仲良くなりたいために、はれ物に触るように中国に気を使い、忖度し、自らも望まない行動をおこなっている。

 しかしいくら中国を助けても、これまで以上に連続で尖閣諸島に近づき、日本側が控えるように申し入れると「騒ぐな」と一喝される。

 コロナ関係においても、中国で流行した当初日本から大量のマスクを送って援助したり、中国で感染拡大をしている時に中国からの観光客の入国をいつまでも受け入れたりしてあげても、日本でマスク不足になった時に中国にある日本の会社の工場で作ったマスクを日本に輸出できないようにしたりしてくる。

 中国は、日本の優しさや忖度を利用して、できるだけ利益を得ようとする。「外交」だから当然だ。日本の政府はそれをわかっていて、中国にすり寄っているのだろうか。韓国に対しても、本当に仲良くなりたいために気遣いや忖度をし、ずっと繰り返し謝罪し援助を続けてきたがそのことをあいまいにしてあげたために、逆にそれを利用され、韓国をつけあがらせてしまった。

 中国からもよく思われることはなく、ただ利用される。欧米からも非難される。なにもいいことがない。ここらでいったん「中国と仲良くなる」ということから離れ、事務的に普通に付き合っていくのがよいのではないだろうか。いくら中国に気を使っても、絶対に心から仲良くなることはない。いったん問題が起きたら、お互い妥協しながらまとめるのではなく、ロシアのように徹底的に日本に向かってくるだろう。よく考えれば、妥協は自国の国益にならず、妥協するほうがおかしいのかもしれない。

 日本人は優しく思いやりがあるので(義務教育の9年間、徹底的にそれを教え込むので)、本当に他国と助け合えるような仲になりたいと思うのだろうが、他国はそんなことは考えてもおらず国益が最優先される。「外交とは武器を持たない戦争」と言われるように、それは当然のことなのであろう。日本だけが、外交に向き合う考え方が間違っている。これでは、日本だけが国益を失っていく。優しさや思いやりは、外交においては誰のためにもならない。

 日本がいくら世界のために困った国を助けても形式的なお礼しかなく、世界からいつも悪く言われ、日本が困った時はそれほど助けてくれるわけではない(むしろ批判される)。外交に、道徳や思いやり、助け合いはいらない。最低限の国際法を守りながら、他国のように国益だけを考えて行動した方がよいだろう。あとは、詭弁を言うだけでよい。それが世界のスタンダードであるはずだ。

「人がよいと損をする」。そんなことは日本国内ではたまにしかないのかもしれない。しかし世界の中においては、日本人としては悲しいことだが、それが普通だ。