東京高検の黒川検事長が、緊急事態宣言が出されている時に賭けマージャンをやったということで非難を受け辞任する意向とのことだ。一緒にマージャンをやっていたのは、朝日新聞社や産経新聞の記者だった。

 とばく場や雀荘で大金をかけてやっていたわけではない。個人宅で遊び程度にごくわずかなお金をかけて遊んでいたという(一日の勝ち負けは1人あたり数千円から2万円程度だったという)。検事長であろうと裁判所長官であろうと、自宅での余暇、親ぼくの範疇であろう。これほど問題にすることだろうか。「賭け」がよくないといわれるのは、暴力団がらみの賭け事をさしているのではないだろうか。だから、天皇賞などがある競馬を含めた公営競技(「公的機関が賭博(ギャンブル)として開催するプロフェッショナルスポーツの総称」)も許されているのだと思う。また、麻雀という遊びを緊急事態宣言時にやったとも批判されているが、雀荘であれば不特定多数の人が長時間密閉空間にいるから危険だと思うが、個人宅で家族や友人4人が人生ゲームやマージャンをやることもよくないことだったのだろうか。窓を開けて換気をしマスクをつけてやっていた可能性も高い。今回の彼の行為はよくなかったとも思わないし、もちろん辞任するような話でもなかったと思う。

 彼は若い時から麻雀が好きだったというので、数十年にわたり遊んできたのだろう。検察庁法改正案の今国会成がなくなった直後、今になって誰がこのような小さな情報を何のためにリークしたのだろうか。どこかのレベルで何らかの思惑が働いたのか、あるいはどこかに対する制裁が行われたのだろうか。マスコミが一斉に強い非難を行い、辞任に結び付けたことも怪しい。

 まるでスパイ映画を見ているようだ。日本の政治は古くて怖い。昭和のおやじたちが一掃されるまで、黒い政治は続くのだろう。

 ニュースでは、「安倍政権にとっては大きな痛手となります」と報道しているが、果たしてそうだろうか。私が安倍総理の立場であれば、今回「黒川検事長を取り込む」という印象を世間に与えてしまったので、反発を少なくし次期国会で改正案を成立させるために、「黒川検事長」という悪いイメージのある名前をはずしたい。検察にも自分への忖度をさせることができるようになるのであれば、検事長は誰でも構わない。そして、今度はもっと堂々と詭弁やごまかしが言え、忖度をしてくれる賢い人(出世欲が強い人)を検事長に選ぶ。