検察幹部OBや多くの弁護士会、そして世論の反対を受け、安倍氏は検察庁法改正案の今国会での成立を断念した。しかし安倍氏は次期国会で同法改正案の成立をめざす姿勢は崩していない。つまり時期をずらすだけで、検察を自分側に取り込むことはよくないので成立はもうやめようと思ったわけではない。反対されても総理の欲は変わらない。

 次期国会で法改正が行われようとした時、検察幹部OBや弁護士会、そして国民が今回行った反対行動をもう一度一から同じように繰り返すことはないだろう。しかも、日本国民やマスコミはずっと「物忘れ症候群」にかかっており、時間がたつと政治家の悪事を必ず許すようになっている(問題にしなくなる。これまでは100%そうであった)。これらを利用して、安倍氏は次期国会で法改正案を成立させる。野党は頑張って反対して見せるだろうが、数が決まっているので意味がない。成立しない理由が見当たらない。

 いつもの繰り返しが起きるだけである。騒ぐ問題ではないだろう。これが日本の民主主義だ。根本がおかしい国に、他国を批判する資格はない。