テレビ朝日の「モーニングショー」で、新型ウイルス感染の状況は日々変わるので自分たちが放送で伝えることも変わってもいいと思いますといった旨のことを、司会者が話していた。この「変わってもいいと思います」というのは、何が変わってもいいということなのだろうか。

 確かに日々状況は変わり、新しいこともわかってくる。変化した状況を伝えたり、新事実を付け加えたりすることは当然だが、これまで自分たちがやってきた批判や提言を変えてはいけない。言い換えれば、不確かな批判や提言を無責任にしてはいけないということだ。

 不適切な批判は名誉棄損になるし、不正確な提言は政府や国民の対応を誤らせる。

 

 それからもう1つ。感染していない地域は、自粛を解除してもいいと思うと、モーニングショーの専門家やコメンテーター達が伝えていた。しかし今感染者数が多い地域も、もともとは感染者が0であった。感染者が出なかったアフリカ大陸の国々もようやく増え始めてきた。

 感染が広がるまでは好きなように活動し、感染が広がってから自粛すればよい、という後手後手の対応を納得の上で行うことは理解できない。今週から休校措置をやめる自治体がある。その市の子どもたちだけが犠牲になるなら自業自得なので仕方がないと思うが、活動的で症状が出にくい子ども達の間に感染が広まったら、感染を望まない大人達やお年寄り、他の県の人など不特定多数の人に感染を広げることになってしまう。結果が十分に予想された上で行い、実際不特定多数の大勢にウイルスを感染させたら、傷害罪にあたるのではないだろうか。

 テレビで教授が推奨すると、自治体トップの判断にも影響を与える可能性がある。教授は、感染拡大を本当はどうしたいのだろうか。感染予防の専門家として発言するのだから、休校自粛を止めることで起こりえる危険性を話せばよい。自粛をやめた方がよいかどうかは、それを聞いて自治体トップが(経済や子どものストレスや家庭生活なども考慮して)総合的に判断することだ。総合的判断は、個別の専門家が行ってはいけない。

 テレビ朝日の「モーニングショー」を見ていると、国民のためというより自分たちのために(視聴率のために)やっていることがひしひしと感じられる。芸能人の離婚や歌手グループ解散などがテーマであればどうでもよいが、日本や世界中の人々の生命に関係するような一大事がテーマの時は、番組制作の目的を変えた方がよい。戦争が起こりそうな時、「モーニングショー」が開戦へ世論を導きそうで怖い感じがする。一大事の時には、例えばもっとコメンテーターを豊かにしたり(局の解説委員や芸能人、怪しい社会学者等ではない人)、多くの専門家に来てもらったりしたほうがよい。メンバーを固定してしまうと、その人が能力のない人であったり偏った見方ばかりしている人であれば、国民(視聴者)が被害を受けてしまう。