3.11が近くなるにつれ、特別番組が増え、芸能人たちも動き出す。

 先ほどNHKで、なぜ40mもの津波が発生したのか、原因を探る番組を放送していた。私が心に残ったのは、「想像もつかなかった巨大津波がきた」という言葉だった。

「想像もつかない災害」とは一体何だろうか。考えさせられた。「想定外」という言葉も、当時はよく聞かれた。過去にも起きた災害が「想像できる災害」であり、過去には起きなかった初めての災害が「想像もつかない災害」や「想定外の災害」なのだろうか。いや、そうではない。

 気象や温暖化などの地球環境についても新しいことは次々と発生している。これらを「想像がつかないこと」、「想定外」と言ったら、言いわけや責任逃れの悪い道具となってしまう。

 ある1つの状況から次につながると思われる状況を現時点での科学的知見に従ってたどっていった最終結果までが想像できる災害ということになるだろうか。したがって、現在の科学的知見には無い説明が必要になる場合、想像がつかない災害(想定外)となる。

 視点を被害に置くと、想像がつく災害(想定内)とは被害が(金銭面や原状回復において)許容できる範囲内の災害であり、想像もつかない災害(想定外)とは40mの津波や原発の爆発等被害が許容できる範囲外の災害ともいえそうだ。

 まとめると、これまでの科学的知見では説明できない災害、被害が許容できないほどの災害などが、「想像もつかない災害(想定外)」ということになりそうだ。